危険な海の生物

 


分布
 紀伊半島以南の浅場、岩・石などの表面に群生しています。

特徴
 茶色の海藻のかたまりのようで、直径5oほどのラッパ状の白っぽいものが見えます。鉢クラゲ類で、強い刺胞毒をもち、触れるとかなりひどい炎症を起こします。特にラッパ状をしたものには多くの刺胞が含まれています。 またイラモは成長すると、やがてクラゲの芽が出来て、それが発達してクラゲが泳ぎ出します。お盆過ぎになって泳いでいると、クラゲの姿が見えないのに、体のあちこちがチクチクとクラゲに刺されたようになることがあります。その犯人はイラモから成長したクラゲです。

被害に遭わないためには
 ・素肌の露出部分を出来る限り少なくしましょう
 ・海生生物にむやみに触ったり、必要以上に近くに寄らない

イラモは特にサンゴや岩の陰になった所に多く、そのような所へ顔を近づけのぞき込んだ時に被害にあうことが多いようです。

〈撮影場所:串本〉        Photo by Koshiro Kita

症状
 電気が走ったようなぴりぴりとした痛みが走り、赤く腫れ上がります。刺された跡は水ぶくれとなり、ひどいときには頭痛や吐き気がします。

被害に遭ってしまったら(応急処置)
 刺胞の除去を出来るだけはやく行う
  海水で患部を十分に洗い流す → さらに食酢(5%)で患部・患部周辺を洗い流す  → (持っていれば)ステロイド軟膏を塗る
 50度くらいのお湯に漬けると毒素(タンパク毒)が凝固する
 
 「イラモによる被害」と告げ、出来るだけ早く医者の治療を受けてください。